スターリングエンジンは自力では回転し始めないので、最初にちょっと回してやる必要があります。
まずはやってみたかった、手のひらの熱での運転です。
手のひらに乗せ、底のアルミ板を暖めてやります。
手のひらからどんどん温度が奪われていくのが分かります。しばらくしてそっと回転板を回してみます。
おっ、回転し始めた!と思ったのもつかの間、回転は止まってしまいました。
そういえば、もう完全に手のひらが、熱を奪われて冷え切っています。
手のひらの温度で動かすには、その温度に対応するもう一つの低温が必要です。
この場合は室温です。
つまり、高温側は手のひら、低温側は室温なので、温度差は大きい方がよく、手のひらの温度でエンジンを動かすには、冬の寒い時期が適しているのです。
そこで、まず両手を暖めて、片方の手のひらでアルミ板に熱を与え、十分伝わったら、もう片方の手に平で熱を与え続けることにしました。
はじめに片方の手で暖め、次に手を変えて回転板を回すと、ゆっくりですが、回り続けています。
今にも止まりそうです。
再び暖めておいた片方の手とすかさず交代します。
するとゆっくりゆっくり、回り続けています。
成功です!
なんとも不思議な気分です。
回転板に付属の模様の紙を貼ってみると、回っているのがよく分かります。
手のひらの熱だけで、ピストンを押し上げているわけではありません。
ピストンとダイヤフラムが絶妙なタイミングで作用しているのです。
その不思議な動きに見とれてしまいます。
次にマグカップの上で運転させてみます。
せっかくですからマグカップにコーヒーを入れます。
上にのせて回すと・・・
よく回ります。
手のひらの比ではありません。
コーヒーを飲むために、エンジンを机の上に置いてもしばらくは回り続けます。
次にローソクの火で運転してみます。
ローソクの周りに台を作ってエンジンを乗せます。
異常な早さで回転しました。
しばらく回して、エンジンの素材が心配になってきたのでやめました。
他にも、さらに氷で冷やしてみたり、カイロのようなもので暖めてみたりしましたが、そこそこ回ります。
やはり一番はローソクです。
ローソクなら、小さいモーターなどをつないで、発電させられるかもしれません。(基本的に発電機とモーターは同じ構造です。)
しかし今回のエンジンでは、ローソクは使わない方が良さそうです。
手のひらの熱では回転するのが精一杯です。
とても動力としては、取り出すことはできそうにありません。
説明文にはまだ、精度を上げるための方法が書かれていましたが、試してみる価値はありそうです。
でも今回は、エンジンが動いたことで、このエンジンももつ可能性を見た気がしました。
スターリングエンジンに、本格的に取り組んでみたくなりました。
ちなみに一番のおすすめは、マグカップの上での運転です。