太陽の光を浴びて発電するスズメバチが発見されたそうです。
その名は「オリエントスズメバチ」です。
イスラエルのテルアビブ大学の研究チームが発見しました。
私が驚いたのはハチが太陽光発電をすることもさることながら、それを見つけた人がいたということです。
スズメバチの写真を見ましたが一見どこにでもいそうなハチにしか見えません。
どうやって発電するということを発見したのでしょうか。
それにはやはりきっかけがあるのです。
このスズメバチは太陽が最も強く照らす時間帯に活発に活動するのです。
ほかのスズメバチにはこのような習性はないそうです。
そこで太陽の光に関してなにか特別なものがあるはずだということから研究が進められていきました。
そして今回、発電の仕組みがある程度わかったのです。
まさに学者の執念深さと考察力のなせる業です。
詳しく調べたところ体には茶色の色素があり、この色素と細かな溝が光を吸収してエネルギーに変換していることがわかりました。
受けた光の1%しか反射していないということですから驚きです。
それなら色素のある体は真っ黒に見えそうですが、こげ茶に見えているのでそれは反射した1%の光のせいなのでしょう。
そして茶色の組織で受け取った光をその下の黄色の組織で電気に変えるそうです。
変換効率は0.3%です。
ここで簡単に比較してみます。
太陽からは1平方メートルあたり1kWのエネルギーが注いでいます。
普及型の太陽電池で変換効率は約20%ですから1平方メートルの太陽電池からは200Wの電力が得られます。
一方オリエントスズメバチの変換効率は0.3%ですから1平方メートルあたり3Wの電力しか得られません。
でも考えようによっては携帯の充電くらいはできそうです。
よけい分かりにくくなってしまいました・・・。
とにかくスズメバチの大きさであれば、得られる電力は微量だということです。
このエネルギーだけでは活動できないので何かの補助として使われていると考えられます。
今のところ何に使われるのかは分かっていません。
今後は同じような習性をもつ生物も調べてみるとおもしろいかもしれません。
太陽の光でエネルギーを生み出す動物はミドリムシが有名ですが(現在では植物と動物の両方の性質を持つ生物とされている)、この場合は光合成によってエネルギーを生み出しているので今回のスズメバチとはエネルギーの生み出し方が異なります。
この両方の性質を持ったら最強では?と思ってしまいます。
私の夢の一つは体に太陽の光を浴びて活動することですが、このような研究が進めば夢ではなくなるかもしれません。
長生きしなくては。