柿には、「なり年」と呼ばれる、驚くほどたくさんの実がなる年があります。
だいたい隔年です。
今年はなり年でした。こんなになって木は大丈夫?と思ってしまうほど、たわわに実っています。
来年はおそらく、あまり実はつかないでしょう。
柿は植えておきさえすれば、秋には勝手に実をつけてくれます。
おやつ代わりに木からもいで、そのまま食べます。
もちろん剪定すれば、毎年一定の実をつけてくれます。
しかし基本的にほったらかしでいいのです。
実のなる木を庭に植えてはいけない、といわれていますが、本当かどうか分かりません。
裏の空き地に植えておけば、何かと役立ちます。
柿の木はとても折れやすく、木登りには気をつけなければなりません。
太そうに見える枝でも、体重のかけ方を間違えば、ポッキリ折れてしまいます。
小さい頃、柿の木には上ってはいけないとよく言われました。
ところで昔の人曰(いわ)く、柿の実は、木の一番上、真ん中、下側のどの部分を採るべき、といっているでしょうか?
正解は真ん中です。
それはなぜか分かりますか?
木の中程になっている柿の方が甘いからでしょうか?
いいえ、違います。
昔の人は、柿は自分だけのものと考えなかったのです。
つまり、木の上の部分の実は、これから来る厳しい冬を思い、鳥の餌としてとっておき、下の部分になっている実は、旅人がとって食べられるようにと、採らずにおいておくのです。
だから持ち主は、木の中程になっている実だけを採ります。
昔の人は思いやりがありますねえ。
今は柿の実をもいで食べる旅人はいないので、実はほとんど採ってしまいます。
でも昔の人の心意気を忘れないために、5,6個木に残しておきます。
冬になるとメジロやシジュウカラがついばみに来ます。
それでは次に、若葉が出て、柿が収穫できるまでをご覧下さい。
写真は富有柿です。