昔の農家を再現した建物を見る機会がありました。
中に入ってみるとお約束通り土間があり、牛馬の飼育場があり、竈(かまど)があり、臼や杵があり、農作業の道具が展示してあります。
田舎暮らしをしたいと思っている方は、わくわくしながら見ることでしょう。
自分の家もこんな風に土間に竈を置いて、臼と杵を置いて・・・。
たしかに私もわくわくします。
しかし考えてみてください。
昔の農家はこの装備だけで生活していたのです。
電気もガスも給湯器も無いのです。
収入といえば自然から得られる恵だけです。
品種改良もまだ十分にされていない頃ですから収穫率も低いことだったでしょう。
さらに何かの影響で不作だった場合、収入どころか自分の食べる分まで心配しなければなりません。
もう生きていくだけで精一杯だったこともあったろうと思い知ることができます。
この状態での田舎暮らしは私にはする勇気はありません。
定年退職されてから夫婦で田舎暮らしをされる方は年金などの収入があるでしょうから、最低限のライフライン(水道、電気、ガスなどの供給)を整えて、のんびり生活を楽しめそうです。
しかし若い人が田舎暮らしをしようとすると、まず収入源を確保しなくてはいけません。
農業1本で食べていくのは至難の業です。
もちろん工夫次第では十分暮らしていけます。