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太陽光発電補助を復活の意味

経済産業省は09年度予算の概算要求で家庭用太陽光発電施設導入補助金を4年ぶりに復活させる方針を決めたそうです。

しかも要求額は05年度の9倍の238億円です。

さすが「世界一の座を奪還する」と宣言しただけのことはあります。

20年までに現状の10倍、30年には40倍の導入目標を掲げています。

 

さらに太陽光発電だけではなく、燃料電池の導入支援、メタンハイドレートの実用化温室効果ガスの削減に関する革新的技術開発支援、原油やレアメタルなどの新規探鉱への出資、中小企業のものつくりへの研究開発支援などにも補助金を計上するということです。

 

05年度での太陽光発電設置の補助金打ち切りで、政府はどうしちゃったのかと思いましたが、やっと復活しそうなので一安心です。

 

と、ここまでは政府の思惑に乗っかってみました。

 

しかしここでいくつかの疑問が。

05年度の9倍の補助金といっていますが、1kWあたりいくらになるのでしょうか。

補助金打ち切りの年の05年度では1kWあたり2万円の補助でした。

20年までに現状の10倍を目指しているということは、単純に考えて1kWあたりの補助金は2万円を切るということではないのでしょうか。

 

現在では太陽電池の原料であるシリコンが世界的に高騰しています。

研究開発によって新型太陽電池も開発されていますが、まだ効率、耐久性ともに十分なデータがないようです。

そうすると、いくら補助金を復活させるといっても05年度と比べて設置費用が高くなるはずです。

いくら皆さんの環境問題意識が高くなっているからといって、簡単に設置に踏み切れるものではありません。

 

ドイツでうまくいったのは、設置費用よりも発電した電気を買い取ってくれる売電においてメリットがあるからです。

買電の価格よりも高く売電ができるのです。

そのコストは一般の電気代に上乗せされますが、数年で元が取れるので設置した方が得になり、多くの人が設置しているのです。

 

日本では未だに電力会社の好意で買い取ってくれているという部分が存在するのは否めません。

電力会社がもう今後は買い取りませんという事態も起こりえます。

買い取り枠が決められているのでそうはならないと思いますが、枠が狭すぎます。

 

さらに買い取り額が高くないので、売電のメリットがあまり感じられないのです。

基本的には売電と買電が同じ額です。

ですから今の日本で設置費用の元を取ろうとすると、かなりの節電をしなくてはなりません。

それはそれでいいことなのですが、太陽光発電を広めたいのなら、設置する経済効果をもっとアピールしなくてはならないのではないでしょうか。

 


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