11月30日放送のプロジェクトXは、京セラ太陽電池についてでした。
今では太陽電池といえば京セラ、というくらい有名です。
もっとも最近では、シャープやサンヨーの方が有名になったかもしれませんが。
この番組を見るまで太陽電池を研究していたのは、京セラよりもシャープの方が先だとは知りませんでした。
シャープの太陽電池は単結晶シリコンで、京セラのものは多結晶シリコンです。
かつて単結晶シリコンからでしか、太陽電池は作れないと思われていました。
しかし化合物や混合物から純粋なものを取り出す、つまり単結晶にして取り出すのは、非常に困難なことなのです。
その結果、製品にばらつきができたり、歩留まりが悪かったりしてコストがかさんでしまいます。
そこで作りやすい多結晶に目を付けた京セラは、努力により太陽電池を完成させたのです。
このあたりりが、成功する企業なのか失敗する企業なのかの違いでしょう。
おそらくこのような状況で、課題を克服できなかった企業は数知れず消えていったに違いありません。
また、京セラの太陽電池の売り込み先がユニークです。
太陽電池といえば、カナダ、アメリカ、ドイツなど先進国のイメージがありますが、京セラはモンゴルの遊牧民に売り込んだのです。
その結果売れました。
太陽電池の独立電源としての性質を、見事に利用した京セラの戦略勝ちです。
太陽電池には現在、単結晶型、多結晶型、アモルファス型、ガリウム・ヒ素型、色素増感型があります。
色素増感型は最近注目されているものですが、実用化にはまだ課題が多く残っています。
それぞれの太陽電池には特色があり、用途に応じて使い分けると合理的です。
日本では毎年6万軒が太陽光発電システムを取り付けているそうです。
かなりのスピードで増えてきています。
確かに私の小さな村でも3軒取り付けています。
この調子だと原子力発電などは壊してしまえる時代がくるかも・・・と思いますが、電気を売買できる系統連携型、いわゆる住宅用太陽光発電システムが増えると、電気の安定性など別の問題が起きるため、そう簡単なことではないのです。
しかし早く、自然エネルギーを取り入れることで起こる別の問題が、議論できる世の中になって欲しいものです。