全くお粗末な話がニュースに出ていました。
自然エネルギーに関わる人間として、あきれるばかりです。
ニュースによると、つくば市の事業で小中学校に設置した風力発電が、期待していた発電量を発電していないということで、市民団体が、市長らに事業費約3億円の弁済を求める監査請求を起こしたということです。
内容を見てみると、いろんな意味で笑ってしまいます。
地方自治体の意識などはこんなものです。
日本でいかに自然エネルギーの理解が遅れているかが分かります。
風車設置のための調査を依頼されて、報告書を提出した早稲田大学もいい加減な仕事をするものです。
調査費として1750万円も受け取っているのです。
それを机上の計算で、しかも違うタイプの風車で計算しているのです。
企業や個人で、もっと地道にデータを取り、風力発電の普及に努力している人がいるのに、全く腹立たしいことです。
その結果が ”稼働した昨年7月から11月の発電量は、見込んでいた6万キロワットの0・002%しかない103キロワット”というのですからお粗末にもほどがあります。
以前から言っているとおり、自然エネルギーの中で利用しにくいのは風力発電なのです。
水力、太陽光、バイオマス、水素などはシステムが出来てしまえば、計算で得られるエネルギーがある程度は計算できます。
しかし風は計算が本当に難しいのです。
問題なのは、市が市民に対してこのことを理解してもらうように説明できていないことです。
市も理解していないのでしょう。
このことをみんなが理解して設置したのなら、問題ありません。
風力発電機は、立地場所での年間の風の動きや風速などのデータをとり、それに適した風車を設置すれば、実に効率よく稼働します。
逆にこれらのことを怠ると、本当にびっくりするほど稼働しません。
差が激しいのです。
もう一度言います。
風力発電は太陽電池のように、設置しておけばある程度のエネルギーが得られるのではなく、きちんと調査して設置すればたくさんエネルギーを生み出してくれ、適当に設置すれば、ただのモニュメントにしかならないものなのです。
これを機に、風力発電は使えないという認識がされてしまうことがないように願うばかりです。