長野県の村井仁知事は、前知事の田中氏の掲げた公約『脱ダム宣言』を撤回し、計画中だった浅川ダムを建設することにしたようです。
ただ、普通のダムではなくて、「穴あきダム」と呼ばれる川底近くに穴が空いていて、そこから水を放流する構造のものだそうです。
ダムで問題になっているのは、長年水を堰き止めているうちに土砂も溜まり、ダムがだんだんと浅くなっていくことです。これはどうしようもありません。
ですからこうなってしまったらダムを壊して作り直すしかありません。
作るときと同様に莫大なお金がかかり、それと共に甚大な河川の汚染も引き起こします。
問題になっているのはそれだけではありません。
河川は栄養豊かな土も運んできてくれます。
その栄養分の供給もダムは止めてしまいます。
では、ダムは全くの邪魔者かといえばそうもいえないのです。
香川県のように大きな河川がないところでは、水の確保が大変です。
そのため貯水池としてダムを作っています。
このような場合はみんなも納得だと思います。
しかし安易な治水、公共工事のためのダム建設は「百害あって一利なし」です。
昔は河川が氾濫するのは当たり前で、氾濫後の豊かな土壌で作物を植えるのが当たり前だった頃は過ぎ、河川の近くに定住するようになった現代では、治水に力を注がなくてはなりません。
中国では「黄河を制するものは天下を制す」と言われるように、治水は国家の一大事業です。
ダムには治水、貯水、発電、防砂などいろんな役割があります。
一部の人の意見で決定してしまうのではなく、もっと広く議論して決めてもらいたいものです。