先日のTV番組『宇宙船地球号』はどぶ川と化した川を、綺麗な川にするプロジェクトを紹介したものでした。
場所は埼玉県川口市の中心部を流れる旧芝川です。
十数年前から洪水対策として水門が閉じられてから、生活排水が溜まり、どぶ川となってしまったものです。
以前はこの川で泳いでいたそうです。
番組ではこの川の浄化に取り組むことにしました。
浄化の方法は3種類です。
一つ目は、炭などの多孔質なものを川に沈め、微生物のすみかを作り、微生物を繁殖させてその力で水を浄化させる方法。
二つ目は、水草などの水生植物の浄化作用を利用する方法。
三つ目は、微生物自体を活性化させる方法です。
根本の考え方は、三つとも自然浄化作用の力を利用するという同じ考え方です。
炭などは目に見えないほどの小さな穴が多数あいていて、そこにいろんなものを吸着させる性質があります。
水分、臭い、汚れなどです。その穴には微生物も住み着くのです。
今回のプロジェクトは、炭だけでなく、炭素繊維も使いました。
炭素繊維には汚れなどを吸着する効果のほか、特殊な超音波を出す効果もあり、その超音波に誘われて微生物が呼び寄せられてくるらしいのです。
初めて聞きました。
水生植物はその植物自体の浄化作用に加えて、微生物のすみかともなり、その相乗効果も期待できます。
さらに、川に流れてくる排水自体もなんとかならないかと考えました。
そのままでは微生物たちの浄化作用も十分発揮できません。
そこで考えられたのが、家庭排水自体を微生物の食べやすいようにしてやることでした。
家庭の排水溝に、洗浄剤「えひめAI(あい)」を毎回流してやるのです。
この「えひめAI(あい)」は食品用の菌を混ぜ合わせて作った、飲んでも害のない微生物用栄養ドリンクです。
下手をすれば、逆に川が富栄養化しそうですが、大丈夫なのでしょう。
三ヶ月後に結果でました。
川の水が以前よりも澄み、メダカも泳ぐようになりました。
炭素繊維にも微生物がたくさん住み着いていました。
カワセミまでも見つけることが出来ました。
(カワセミは清流に住むイメージがありますが、意外と汚い川にも住んでいます。)
まだ三ヶ月間ですが、この活動を続けていけば、いつかは昔のように川で泳ぐことが出来るようになるかもしれません。