かなり昔に、ある人から面白い物を貰ったのを、引き出しを整理していて見つけました。
それはカイロです。
でも普通のカイロではありません。
何回でも使うことができるリサイクルカイロなのです。
よく店で目にするカイロは、鉄の酸化による発熱を利用した物で、一度使うと捨ててしまわなくてはなりません。
もったいないので、私は使い捨てカイロは使いません。
寒くても我慢してます(笑)。
ところがこのカイロは何度でも使うことができるのです。
その存在をすっかり忘れていました。
早速試してみます。
はじめのこの状態では透明なので、このまま使うことができます。
柔らかい透明な液体の中に金属のボタンが入っており、このボタンを押すと、カチッと音がして少し変形します。
これをきっかけに、中の液体が白く結晶になっていくと共に発熱します。
完全に結晶になってしまうとかなりの堅さになります。
約50度くらいになって、この温度が2~3時間続きます。
温度が下がってしまっても、これを透明になるまでお湯で煮ると、結晶が溶け、透明な液体に戻ります。
この状態でも1時間くらいは温かい状態を保っています。
このまま保存しておけば、使いたいときに中の金属をカチッと押せば、再び結晶となって発熱し、カイロとして使うことができます。
中の成分は、理科の実験でよく使われる「酢酸ナトリウム」です。
過冷却状態にした液体に刺激を加えると、一気に固体に変わる例として使われます。
シャーレに水を入れ、加熱しながら酢酸ナトリウムを溶かしていって、もうこれ以上溶けない状態の飽和水溶液にします。
そのまま火を止めて冷ましていきます。
完全に冷めた状態ではまだ液体ですが、その上に酢酸ナトリウムの結晶を一粒落としてやると、そこから放射状に白く結晶化していきます。
そのとき発熱します。
何度でも実験できますが、ある程度繰り返すと、発熱保持時間が短くなってくるようです。
ただ、気になる点は、使い終わって再び加熱して液体にするとき、かなりの熱量を使ってしまうことです。
私の持っている物では7~10分間位沸騰加熱しなければ完全に結晶は溶けません。
このとき使う熱量を考えると、倹約になっているのかどうか怪しいものです。
リサイクルという点ではいいのですが。
少しでも結晶が残っていれば、冷めるときにそれを核として再び結晶化が始まってしまい、または締めから煮沸のやり直しです。
太陽熱での煮沸を考えたのですが、今はそこまで温度を上げるのが難しく、今後の課題です。