あとは割木にするだけなのですが、これが一番楽だったりします。
慣れないうちはしんどくて、すぐにやめたくなりますが、慣れてコツをつかんでくると全く疲れません。
斧(おの)を振り上げて落とすだけでスパンと割れます。
慣れない人は、とにかく力任せに振り下ろすので、的も外れやすく、すぐに疲れてしまいます。
のものがよいでしょう。
小さい手斧ははっきり言って使い物になりません。
手斧を使う場面があったとしても、鉈(なた)の方が使いやすく応用も利くので便利です。
もちろん斧も鉈も使う前にはよく研いでおきます。
切れが全く違います。
その方がよけいな力を入れなくて済むので、楽に仕事もでき、怪我もしにくくなります。
板前さんや大工さんは道具をとても大事にします。
そして研ぎに命を懸けています。
研ぎの修行だけで何年もかけるのです。
使う砥石は数百万円もするものもあるそうです。
しかし近年、良質の天然砥石が取れなくなってきているので、刀研ぎ師などは全国探し回っていい砥石をかき集めているそうです。
台所にある包丁を、安い砥石でかまいませんから一度研いでみてください。
料理が楽しくなるはずです。
薪を割るときは、大きな丸太を台にして、その上に割る丸太を置きます。
そして斧を振り上げ、落とします。
ねらうところは丸太の中心です。
直径15cm位なら簡単にまっぷたつに割れます。
それより大きくなると少しだけ力を入れます。
ちょっとだけです。
しかし丸太も根に近い部分や、節があるところではなかなか割れません。
そういうときには仕方ないので力一杯振り下ろします。
それでもたまに、はじき返されるときがあるので、斧が頭に当たらないよう気を付けなければなりません。
さらに割れないときには簡単な裏技があるのですが、それはまたの機会に。
慣れてくるといろんな割り方ができます。
丸太を寝かせたまま割ったり、丸太を一度も倒すことなく細かく割ったり、早割をしてみたり・・・結構遊べます。
木を割っていると中からカミキリムシの幼虫が出てくることがあります。
長さ6cm、太さ1cmくらいの大きさです。
カブトムシの幼虫ほど丸まっていません。
顎(あご)が発達していて、よく木をかみ砕きそうです。
イチジクの木などにいることが多く、木を枯らしてしまうのでニワトリの餌行きです。
雨に濡れないように屋根の下に重ねます。
この一連の作業を薪が十分できるまで続けるのです。
テレビでよく見る薪割り場面、実はあれが薪づくりの中で、一番楽な仕事なのです。