岡山の高梁でイノシシの害に困っている地域の人たちが立ち上がりました。
イノシシを一斉駆逐!ではなく、もっと平和的な方法です。
イノシシは頭がいいのです。
やっと育て上げた米や野菜などを明日収穫しようと思って翌朝見てみるとぐちゃぐちゃになっているのです。
食べ頃をよく分かっているんですね。
せっかく手塩に掛けて育てたものが一晩で無になるのです。
そりゃ殺意も芽生えますよ。
いやいや、殺意が芽生えても駆除はしません。
最近は狩猟をする人も高齢化が進んで人口も減っているそうです。
それに伴いイノシシも増えているといいます。
この地区ではトタン板を畑全面に張り巡らしてイノシシの進入を防ぐ方法も試したようですが、少しの隙間を見つけるとこじ開けて数頭で進入し、一晩で荒らしてしまうそうです。
しかもかなりの初期投資がかかります。
さびたり破れたりしますからメンテナンス経費も少なくはありません。
そこで思いついたのが牛を使ったイノシシを寄せ付けない方法です。
イノシシは藪のようなところに潜んでいて、夜になると活動します。
実は最近増えてきた耕作放棄地がその藪の源になっているようなのです。
ならばその耕作放棄地をなくしてしまえ、というのが今回の発想です。
毎回草を刈るのは重労働です。
そうでなくても人手が足りないのですから。
そこで出番となったのが短角牛という牛です。
雑草を食べてもらうのです。
牛は山羊と違い食べる草を選びますが、短角牛は何でも食べ、小屋もなしで飼うことができるので飼いやすいということで選ばれたようです。
まずは四頭で実験を始めたところ、今年はイノシシの害がゼロだったといいます。
すごい効果です。
山羊でもいいのでは?と思いましたが、山羊はすでにいろんなところで同じようなことをしているので、敢えて牛にしたのかな、と勝手に思っています。
なんにせよ、イノシシを殺すことなく、あまり手間もかからず、うまくすれば牛からの副産物も得られるまさに一石何鳥もの効果が得られるすばらしい方法ですね。
これからもおそらく他の地域でもいろんな方法が試されるでしょうから楽しみです。