その物語とは・・・
「LEDひとつで360度照らすことが出来るようにしろ」との部長からの命令です。
彼は技術者のメンツにかけて完成させなくてはなりません。
いままで冷遇されてきたのですからここで部長の鼻を明かしてやらなくては!!
彼は来る日も来る日も研究に明け暮れました。
LEDの光には直進性がある。
電球のようにフィラメントが輝くのなら光の拡散はたやすい。
LEDに拡散性を持たせればよいのではないか。
彼はそう考え、LEDの先端をヤスリで削ってみたり、LEDを挟むように鏡を上下においてみたりしました。
しかしいくらやっても満足のいく効果は得られませんでした。
もう技術者人生もこれで終わりか、このままあの部長の元で働くくらいなら、いっそのこと・・・・と、終の場所を捜しに行くため車に乗り込んだのです。
そしてふと見上げると、カーブミラーが目に入ってきました。
今まで何も思わなかったのですが、そのときカーブミラーに惹きつけられてしまったのです。
カーブミラーをよく見てみると、平面の鏡では見えない範囲まで見ることが出来ているではありませんか。
彼はひらめきました。
鏡を平面で考えるのではなく、曲面で考えればより広い範囲を照らすことが出来るはずだ。
このようにして三角錐の形をしたミラーをLEDの真下に配置する案を思いついたのです。
以上フィクションでした。
この構造は最近のキャンプ用LEDランタンにも用いられていますが、おそらく特許を取得しているでしょう。
特許・・・・いいですね~。
この三角錐のミラー部分を取り外すとLEDが見えてきます。