通報されてしまわないうちに引き返します。
早速家に帰って雑誌で出力と値段を調べます。
おおよその相場が分かったところで、次の関門です。
あのお店に行って値段を聞かなくてはなりません。
見るからに小さくて小汚くて怪しい店です。
それから何週間の間は、その店の前を通って、様子をうかがう日々が続きました。
張り込みとまでは行きませんが、情報収集は大切です。
しかし何の変化も見られません。
ここは思い切って踏み込むしかないようです。
いま行かなければ、無駄に月日が流れていくだけです。
勇気を出して入っていきました。
あのう、お店の前にあるのは太陽電池ですか?と聞きます。
すると店の奥から店主らしき人が出てきました。
見るからにあやしい!
しかし私は気付かないふりをして話を進めます。
いくらするんですか?
すると事前に調べていた値段よりも安いことが分かり、購入する意志を伝えました。
ここからです。
白熱した論議が始まったのは。
店主も太陽電池に、異常なほど入れ込んでおり、日本はもとより海外にまで足をのばし、太陽電池を探していたのです。
私も太陽電池に関しては思い入れは誰にも負けないつもりです。
お昼に店に入ってから夜暗くなるまで太陽電池について語り合いました。
これから私たちのつき合いが始まったのです。
まだ1990年代はじめ頃のことですから長いつき合いです。
太陽電池を1枚手に入れると、さらに増やしたくなるのが人情です。
パチンコ好きの人がパチンコにお金をつぎ込むように、私の場合は太陽電池につぎ込んでいきました。
太陽電池だけでは利用できることも限られているので、バッテリーを買ったり、インバーターを買ったりといろいろとシステムを組んでいきました。
でもその店では太陽電池しか買いませんでした。
何でだったんでしょうね。
私は何でも自分でやりたいたちなので、お店に操られないぞという意志が働いていたのかもしれません。
でも結局は操られていたのかも・・・。
そうこうしているうちに、店主から系統連携をやってみたらどうかとすすめられました。